家族葬とはどんなお葬式?特徴や費用・流れについて解説

家族葬には、参列者の人数や式の内容を一律に定めた決まりがありません。「家族」という名称でも、親族だけでなく、故人様と親しかった友人や知人に参列してもらうこともあります。そのため、家族葬を考えるときは、名称だけで判断せず、どなたに参列してもらいたいか、通夜・告別式を行うか、宗教者を招くかといった希望を整理することが大切です。

この記事では、将来に備えて家族葬について調べている方に向けて、一般葬などとの違い、参列者の考え方、費用の内訳、当日までの流れを紹介します。

家族葬とは

家族葬の概要

家族葬は、ご家族や親族、故人様と親しかった方など、参列者の範囲を限って行う葬儀の呼び方です。法律上の区分はなく、人数にも明確な基準はありません。葬儀社によってプランに含まれる人数や内容が異なるため、「家族葬」という名称だけでは実際の式の内容や費用は決まりません。

通夜と告別式を2日間で行う家族葬もあれば、通夜を行わず告別式と火葬を1日で行う場合もあります。仏式、神式、キリスト教式、無宗教など、宗教・宗派によっても内容は変わります。

家族葬はどのくらい選ばれているか

2026年3月に行った「第7回お葬式に関する全国調査」では、直近2年以内に喪主またはそれに近い立場を務めた全国の40歳以上2,000人に尋ねたところ、47.0%が家族葬を行ったと回答しました。

ただし、家族葬は法律で定められた区分ではありません。家族葬と呼ばれる葬儀でも、参列される方の範囲や式の日数、宗教儀礼の内容はご家族ごとに異なります。ご家族や親しい方を中心に故人様を見送りたいというお気持ちが、家族葬を選ぶ理由の一つになっています。

立ち華葬祭では、どのようなお見送りにしたいかを伺いながら、それぞれのご家族に合う形を一緒に考えていきます。

一般葬・一日葬・直葬との違い

葬儀の呼び方参列者や日程の一般的な考え方
家族葬参列者をご家族・親族・親しい方などに限って行う。通夜と告別式を行う形も、通夜を省く形もある
一般葬親族に加え、友人、近隣の方、仕事関係者などにも広く参列を案内する
一日葬通夜を行わず、告別式と火葬を原則として1日で行う
直葬・火葬式通夜や告別式を行わず、火葬を中心に見送る

これらの名称も、葬儀社によって内容が異なる場合があります。検討する際は、式の日数、参列予定人数、プランに含まれる内容について説明を受け、希望している葬儀と合っているかを確かめましょう。

家族葬にはどなたに参列してもらうか

家族葬で参列をお願いする範囲は、同居するご家族や血縁者だけに限られません。故人様が大切にされていた関係をもとに、友人、知人、近隣の方などに参列してもらうこともできます。

将来に備えて参列者について話し合う場合は、ご本人の考えを聞ける状況であれば、どなたに参列してほしいか、どなたに訃報を知らせてほしいかを聞いておきます。

  • 葬儀に参列してほしい方
  • 参列の案内はせず、訃報だけを知らせてほしい方
  • ご家族が連絡先を知らない友人や知人

その方のお名前やご本人との関係、連絡先をご家族にも伝えておくと、葬儀を行う際の連絡に行き違いが生じにくくなります。実際にどなたに参列してもらうかは、その時点でのお付き合いや会場の状況なども踏まえて、ご家族で決めることになります。

参列を案内しない方への伝え方

家族葬で参列を案内する際に考えておきたいこと

参列をお願いする方には、日時・場所とともに家族葬であることを伝えます。香典や供花を辞退する場合は、その意向も曖昧にせず記載します。

参列を案内しない方への訃報は、葬儀前に伝える方法と、葬儀後に報告する方法があります。生前の関係や地域・勤務先の慣習によって適した時期は異なります。葬儀前に伝えると弔問を希望されることもあるため、ご家族の意向と対応できる範囲を話し合っておきます。

家族葬を選ぶ前に知っておきたいこと

参列者を限ることで、身近な方を中心に見送れる

家族葬では、ご家族や故人様と親しかった方を中心に参列をご案内できます。ただし、どなたまで参列してもらうかについて、一律の基準はありません。親族だけに限る必要はなく、故人様と親交のあった友人や知人に参列してもらうことも可能です。家族葬を選ぶ前に、ご本人の希望や生前のお付き合いを振り返り、参列をお願いしたい方をご家族で話し合っておきます。

参列をご案内しなかった方への連絡や弔問対応が生じることがある

葬儀後に訃報を知った方が、ご自宅への弔問や香典のお渡しを希望する場合があります。家族葬を選ぶ際は、葬儀後の連絡をどなたが行うか、弔問や香典を受けるかどうかもご家族で共有しておきましょう。

家族葬だから費用が低いとは限らない

参列者が少なければ、料理や返礼品など人数に応じる費用は減ることがあります。一方で、搬送、安置、棺、式場、火葬など、人数だけでは大きく変わらない費用もあります。祭壇や棺の内容、安置日数、宗教者への謝礼などによっては、想定額を超えることもあります。

家族葬にかかる費用

家族葬の費用項目

「第7回お葬式に関する全国調査」では、家族葬の葬儀費用総額は平均96.39万円でした。家族葬以外の葬儀形式も含めた総額の平均を、以下の表にまとめました。

葬儀形式葬儀費用総額の平均
家族葬96.39万円
一般葬122.01万円
一日葬74.43万円
直葬・火葬式49.56万円
出典:株式会社鎌倉新書「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」

実際の費用は、地域、日程、参列者数、式場、葬具、宗教形式などで変わります。平均額だけで予算を決めるのではなく、見積書に含まれる項目と別料金になる項目を葬儀社から説明してもらうことが大切です。

見積もりで確認する主な項目

葬儀の内容に関する費用

棺、骨壺、祭壇、式場、運営スタッフなど、葬儀の内容に応じて決まる費用です。

人数によって変わる費用

料理、飲み物、返礼品など、参列予定人数によって数量が変わる費用です。

条件によって加わる費用

搬送距離、安置日数、火葬料、宗教者への謝礼など、地域や日程によって変わる費用です。

  • 病院などから安置場所までの搬送費と、距離・時間帯による加算
  • 安置施設の利用料と、日数が延びた場合の追加費用
  • 棺、骨壺、納棺、ドライアイスなどの費用
  • 式場利用料、祭壇、運営スタッフなどの費用
  • 火葬料と、火葬場の待合室などの利用料
  • 料理、飲み物、返礼品など人数に応じて変わる費用
  • 宗教者へのお布施・謝礼、お車代、御膳料

広告やプランの表示額には、火葬料、料理、返礼品、宗教者への謝礼などが含まれていない場合があります。国民生活センターも、見積書を受け取り、契約に含まれる項目、別料金になる項目、追加サービスの内容と料金を確かめるよう案内しています。

事前相談で見積もりを取る場合は、分かる範囲の参列予定人数や希望を各社へ同じように伝えると、費用を比べやすくなります。見積書では総額だけでなく、数量・単価・追加料金が生じる条件まで説明を受けます。

※割合・費用は2026年8月23日時点で確認できる公表資料に基づきます。参考:株式会社鎌倉新書「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」、国民生活センター「依然として多い葬儀サービスの料金トラブル」

一般的な家族葬の流れ

家族葬の一般的な流れ

通夜と告別式を行う家族葬では、おおむね次の順で進みます。亡くなった場所、宗教・宗派、火葬場の空き状況などによって順序や日数は変わります。

STEP
死亡診断書を受け取り、葬儀社へ連絡する
葬儀社への連絡

医師から死亡診断書を受け取ります。状況によっては、死亡診断書ではなく死体検案書が交付されます。その後、葬儀社へ連絡し、故人様の搬送と安置を依頼します。安置先が決まっていない場合は、利用できる施設について葬儀社へ相談できます。

STEP
葬儀の内容を打ち合わせる
家族葬の打ち合わせ

喪主、参列者、日程、式場、宗教形式、料理、返礼品などについて、現在分かっている希望を伝えます。葬儀社から日程や内容の提案と見積書を受け取り、参列をお願いする方へ日時や場所を連絡します。

STEP
通夜、葬儀・告別式、火葬を行う
通夜と葬儀・告別式

通夜を行い、翌日に葬儀・告別式、出棺、火葬へ進む形が一般的です。一日葬では通夜を行いません。地域や宗教・宗派によって、式の内容や収骨後の流れは異なります。

今のうちに家族で話しておけること

急いで葬儀を決める段階でなければ、金額や葬儀社をすぐに決める必要はありません。まずは、ご本人が希望されることと、ご家族が大切にしたいことを、話せる範囲で共有しておきます。

  • 家族葬を希望するか、広く参列を案内したいか
  • 参列してもらいたい方と、その連絡先
  • 宗教・宗派、菩提寺や所属する宗教団体の有無
  • 通夜を行うか、式で取り入れたいことがあるか
  • 希望する地域と、おおよその予算
  • 葬儀後の弔問や香典を受けるか

ご本人の希望が決まっていない項目を、無理に埋める必要はありません。「どなたに連絡してほしいか」「宗教・宗派は何か」など、話し合えたことだけでも、ご家族が確認できる場所に残しておきます。

死亡届と火葬許可の手続き

死亡届と火葬許可の手続き

死亡届は、亡くなったことを知った日から7日以内に、亡くなった方の死亡地・本籍地または届出人の所在地の市区町村へ提出します。国外で亡くなった場合の期限は3か月以内です。死亡届の用紙は、死亡診断書または死体検案書と1枚になっています。

火葬には市町村長の許可が必要です。死亡届とあわせて火葬許可の申請を行い、交付された火葬許可証を火葬場へ提出します。必要書類、窓口、受付時間、葬儀社へ提出を依頼できるかどうかは自治体によって異なります。実際に手続きを行う際は、届出先の自治体または依頼する葬儀社から案内を受けます。

また、法律上、原則として死亡後24時間を経過する前に火葬することはできません。

これらの手続きを、今の段階ですべて覚えておく必要はありません。葬儀社へ事前相談をする際に、死亡届や火葬許可の申請について、葬儀社が案内・対応できる範囲と、ご家族が用意するものを聞いておくこともできます。もしものときに、ご家族が行うことと葬儀社へ依頼できることをあらかじめ分けて考えられます。

まとめ

家族葬は、ご家族や親族だけに限定された葬儀ではありません。どなたに参列してもらうかをご家族で決め、故人様と親しかった友人や知人を含めることもできます。人数や内容に共通の基準はないため、検討する際は「家族葬」という名称だけでなく、参列者、日数、宗教形式、費用に含まれる項目まで葬儀社から説明を受けます。

将来に備える段階では、参列してもらいたい方、宗教・宗派、式についての希望をご家族で共有することから始められます。すべてが決まっていなくても、現在考えていることを葬儀社へ伝えれば、葬儀の内容や費用の違いについて案内を受けられます。

参考資料